2021年12月6日、群馬県上野村内を流れる神流川乙父大橋上流で、日大安田教授の指導により石積み淵を設置しました。
当日は朝10時上野村漁協の役員8名、日大安田教授と研究室の学生2名が河原に集合して作業を開始しました。この周辺は令和元年の台風19号の増水時土砂で淵がすっかり埋まってしまい、魚の隠れる場所がない平らな流れとなり釣りのポイントもなくなってしまいました。安田教授は大規模工事を必要としない石積みの堰や魚道を設置することで、魚が移動しやすくまた生息しやすい環境を作る研究をされています。
この日は漁協の方がユンボを操作して、河原に転がっている岩を安田先生が指示する場所に投入してゆきました。約20個の岩が先生の指示通りに投入されると、水の流れの3分の1ほどに石が積み上がり、淵が形成されました。わずかな淵ですが、これにより淵の上流と下流では水位差が15センチほどでき、流れがゆっくりするところと、逆に水流は早まった場所ができ今まで何の変化がなかった川にも複雑な流れが形成されました。岩の設置は出水時流されにくいよう、川に入った安田教授が鉄棒を使って微妙に角度を調整しながら行われました。約1時間の作業で一つ目の淵ができ、さらに15メートルほど上流に2つ目の淵を設置しました。淵が形成されたことにより水の流れが速まった場所では小石の間の砂が流れ、水生昆虫が生息しやすい環境ができるとの説明もありました。
設置後は漁協の役員の方に設置方法を説明し、12時半午前中の作業を終えました。その後は漁協の役員の方でさらに岩を川に投入して淵を作るとのことでした。
今回の石積み淵の設置には「つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業」の資金が使用されました。
事業紹介
魚道・産卵床