原因は何か?

見た目の透明度も水質もきれいになったのに、なぜ魚が減っているのか・・・
目に見えない犯人がいるのではないだろうか・・・。
 
魚が減った原因を突き止めるべく、私たちはプロジェクトチームを立ち上げて犯人捜しをはじめました。
 
魚が減る要因としては、水質の悪化(富栄養化)、地球温暖化、工場排水や家庭雑排水、河川環境の変化、カワウや魚食性外来生物の侵入、乱獲など、様々な要因が考えられます。
しかし、全国のウグイやオイカワなどの淡水魚が減少した水域を比較してみると、今まで考えられてきたこれらの要因だけでは説明がつかず、犯人捜しに行き詰まりました。
 
そんな中で、一つの論文を見つけました。東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授の山室真澄先生の宍道湖におけるネオニコチノイド(農薬である殺虫剤)と魚類の資源量に関するサイエンスに掲載された論文です。
そこには、ネオニコチノイド系農薬が使用されはじめた1993年から水田などで使われ始めたネオニコチノイドが宍道湖に流れ、動物プランクトンを激減させ、それを餌としているワカサギの激減につながったことがかかれていました。
また、当会の評議員でもある元筑波大学医学医療系助教の升秀夫先生からも「農薬が日本の釣りを駆逐する」と再三警告をいただいていました。
 
そこで、この目に見えないネオニコチノイド系殺虫剤を含む農薬や次々と開発される人工合成化学物質が魚類減少の犯人なのではないかと、調査や研究をスタートし現在進行形で対策を検討しています。
なお、昨年は46箇所で水質調査を実施いたしましたが、本年は240箇所で水質調査並びに魚類を含む生き物調査を実施しております