前出のとおり近年、全国の釣り人の皆さんから「最近、ウグイやオイカワが全然釣れない・・・」「なんだか水辺の様子がおかしい・・・」という声を多くいただくようになりました。
確かに、肌感覚では30年以上前には川に湧くようにいて、私たち釣り人の遊び相手となってくれたウグイやオイカワを見かけることが少なくなってしまった河川が多くなったように感じます。この数年間で見た目の透明度もBOD、COD等の水質も、下水道が整備され、工場や家庭からの排水が規制された事により、間違いなく改善されています。
また、ウグイやオイカワが姿を消した水辺では、そこに生息するトンボやミツバチ等の昆虫やカエルやイモリ等の両生類などの生きものも少なくなったように感じます。
そこで私たちは肌感覚ではなく、本当にこれらの魚や生物たちたちが減ってしまったのかどうかのエビデンス(科学的根拠やデーター)を探しました。
前述の環境省の第4次レッドリストを受けて、翌年から環境省や関係省庁、有識者が集まり、2年間に亘って開催された「淡水魚保全のための検討会」の議事録でも、千賀座長から「農薬を減らせば河川の魚類は爆発的に増える」他、淡水魚が大幅に減少して危機的な状況になっており、自然環境や生態系だけでなく、市民生活や環境教育にも多大な影響を及ぼしているとの報告もあります。
又、10数年前から農水省でも、魚類を含む水生生物に大きな影響を与えるという事で、農薬を使った慣行農業から、減農薬・無農薬の農業に補助金を出しています。(資料後述参照)
加えて、後述の各県各団体から、ネオニコ農薬に対して多くの文献が出されています。
どうにか客観的な根拠を探そうと、「釣り具の売上の推移」、「釣り雑誌の記事の分析」、「全国の釣り人からのアンケート」、「全国46箇所の河川の水質調査及び魚類生息調査」により、確かに主に水生昆虫をエサとするウグイやオイカワと言った中~下流域に生息する魚類が極端に減少していることを確認しました。
本年も、農薬や除草剤が最も多く散布される6月後半と8月中旬に、沖縄を除く全国240箇所の河川で、同様に水質及び魚類を含む生物調査の実施を計画しております。
淡水魚減少問題特集